クロガネ 仲合、同盟会話
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仲合物語
朦朧した過去
例え何があっても、ここの事は絶対に忘れてはいけない…
無剣:あーー
張り裂けそうな頭痛に襲われ、私は飛び起きた。
また、同じ夢・・・
夢に出てくる場所はなくした記憶に強く関係しているようだが、
まったく思い出せない。
クロガネ、お?無剣、どうしたんだ?
無剣:クロ…ガネ…?
泣いていたのだろうか…少し泣き声となっていた。
私の声を聴いたクロガネは微笑みながら隣に座った。
クロガネ:無剣、もう大丈夫だ。
怖い夢でも見たのか?
無剣:うん…またあの夢を見たの…
夢に出てくるのは私にとって忘れてはいけない事…
なんだけど…
クロガネ:まったく…無理をする必要はないだろう。
時間がたてば自然に思い出くるものじゃないのか。
無剣:でも!過去の記憶がないまま…このまま過ごしていくのは…
無剣:私は誰で、どこから来た、そしてこれからどうしたらいいの!?
それが私にはわからない…
無剣:こんな空っぽな私を見て、クロガネは気にならないの!?
クロガネ:それは…少しは気になるが…
だが、それで君が辛い思いをしてほしくないんだ。
無剣:けど…自分のことが分からないのも辛い…
クロガネ、どうしたらいいの?
クロガネ:急いで思い出すことはない。君の事は君が一番分かっている
今は焦らずゆっくりとするといい。
そうすれば記憶もだんだん思い出してくるかもしれない。
クロガネ:何事も急いだところでいい結果は出てこない、
自然な流れに身を任せたことで出てくることもあるしな。
無剣:うん、確かにクロガネの言う通りだね…でも…
クロガネ:ハハハ、「でも」じゃない、楽に考えていこう!
無剣:うん…そうだね、ありがとう
なんか、クロガネに聞いてもらったことで、
少し落ち着いてきた。
クロガネ:フフ、それは良かった。
何か悩みがあったら俺に相談してくれ、
君の助けになるかもしれない。
無剣:うん、その時はお願いします。
クロガネ:ハハハ、遠慮することはない、何でも相談してくれ!
クロガネ:まぁ、この辺りを散歩したら、気分が晴れるかもしれないな。
今度一緒に行かないか?
無剣:じゃあ、お言葉に甘えて、宜しくお願いします。
クロガネ:そうこないとな、明日の朝出発しよう!
聳え立つ雪山
麓には数えきれない数の珍獣が生息しており
山の中腹は雪に覆われ
山頂に立つと雲が足元を通っている。
無剣:本当に壮観だね、崑崙山は!
中原とは違う西域の景色を見ていると、
なんか心が浄化されていくようだね
クロガネ:ハハ、無剣、俺と一緒に来て正解だろう?
風景だけではない、気候、風土、人情、
どれをとっても中原とは異なるぞ
クロガネ:俺はこの西域にはとても思い入れがあるんだ。
無剣:へぇ?クロガネにとって西域は大事なところなんだね。
クロガネ:あぁ、いわば故郷みたいなものさ。
クロガネ:俺は今、争いなんてものを忘れて、
東西南北を自由気ままに旅している。
無剣:え?自由気ままに旅をしているって…
そんな歳でもないのに…
クロガネ:いやいや、もう歳だろう、
他の優秀な新人たちは既に頭角を現し始めているんだから。
無剣:でも!クロガネだって屈指の名人じゃない!
クロガネ:確かに昔は天下を罷り通っていたが、
結局最強になる事は出来なかった。
今では世間で起こっている争いに関心はないからな、手を出していない。
クロガネ:そうして、ある日ようやく分かったんだ。
クロガネ:剣の道を行くものとして無敵になってしまうのはとても寂しいことなんだ
クロガネ:ハハ、以上が俺の昔のことだ。
無剣:クロガネ、貴方…
クロガネ:この話題はもう辞めだ!それより崑崙にはどんな土産があるか見に行こう!
お、この毒蜘蛛なんかどうだ?
西域にしか生息しないからいい土産になるぞ!
無剣:そ、それはいらないかな…
クロガネ:ん?土産とはその地域にしかないものを贈るものじゃないのか?
無剣:それでも、毒蜘蛛はちょっとね・・・
危険だし見た目も怖いから贈り物には向いてないかな
クロガネ:ほう、なるほど…
そういえは、俺からの贈り物を喜んで受けると人は…
昔から…
無剣:どうしたの?クロガネ?
クロガネ:ハハハ、何でもない。
よし!せっかく西域に来ているんだ、風景を楽しもう!
そうして、私たちは雪山を一緒に眺めながら、色々話をした。
けれど私の心の中では、さっきクロガネが言っていた言葉が気になっていた。
茫々たる碧海
海風が吹いて、私とクロガネの襟を拭き上げた。
無剣:海は本当に終わりがないな。
海辺に立つと、自分はなんて小さいのかって思ってしまう…
クロガネ:ハハハ!壮大な海を前にして、自分の悩みは大したことないって思ったか?
無剣:うん…今はだいぶすっきりした。
海と空が交わるところを眺めたら、全体が紺碧で、どこが海か、どこが空か全く分からない。
クロガネ:無剣!早く見ろ!いいものがある!
クロガネの声を聞くと、私は振り返って不思議な光景を目にした。
クロガネは両手で巨大なカニを捉えて、楽しそうに私の方に向かってくる。
カニはただ大きいハサミを振り回しているだけで、クロガネに参ったようだ。
クロガネ:ハハハ!どうだ?珍しいだろう?あげるぞ!
その光景をみると、私は思わず笑いを零した。
無剣:ハハハハ!クロガネ兄がこんなに歓迎してくれているのに、断ったら心が痛むよ。
クロガネ:受け取ってくれるだけで、俺は嬉しい!
私は笑って蟹を手で受け取ろうとしたら、蟹の甲羅がすべすべしていて、
うっかり蟹を手から逃してしまった。小さい足を目いっぱい広げて、横向きに海に突っ込んだ。
無剣:かっこいい「凌波微歩」だね!ハハハハ!
クロガネ:ハハハ、海に隠れる達人だとは!
クロガネ:フフ、でもそういえば、初めてクロガネが気持ちよさそうに笑っている顔を見れた。
無剣:それは君のおかげだな。
クロガネ:先輩として後輩たちの面倒を見るのは当たり前だ、ハハ!
クロガネ:君は後輩の内に入らないけどな。
無剣:ん?なんて言った?
クロガネ:お…俺にとっちゃ、君は同世代の旧友みたいなもんさ、後輩じゃないって意味。
無剣:そう?でも何か重要なことを隠している気がする。
もったいぶらないで、さっさと私に教えて!
クロガネに秘密を教えてとねだる。
クロガネは苦笑いした。
クロガネ:騒ぐな、騒ぐな!この年になれば、一つや二つ言えない過去があるのは普通のことだ。
無剣:旧友みたいって言ったじゃない、旧友に秘密を隠すの?
クロガネ:は――……
突然、激しい海風が吹いて、大粒の雨が次々と私の頭に落ちた。
すぐさま大雨が降り出して、私たちはずぶ濡れになった。
クロガネ:雨だ!早く帰ろう、風邪を引いたらまずい。
無剣:だ、だけど…
クロガネ:ぐずぐずしない、早く行け!
無剣:う、うん…
私たちは速やかに島に向かって走った。再びそのことを聞く機会がこなかった。
けれど、心の中ではますます気になっている。
気にしているのは自分の過去か、それともクロガネの過去か、自分も分からなくなってきた。
生死離れぬ
けれど、重荷が消えたような感じはなく、心の中にある疑問はますます増えていく。
林の中を彷徨って、心がいらいらする。
クロガネが黙って私の後についているのは分かっている。
ようやく、私は心を決めて、振り返った。
○○:クロガネ、聞きたいことがある。
クロガネ:はぁぁ?なんだなんだ?
私は深く息を吸って、やっとずっと聞きたかったことを聞いた。
○○:貴方はとっくに知っているんじゃないの?
私は誰でどこから来たか、最初から知っているんじゃないの?
クロガネは少し考えたあと、やっと苦笑いしながら頷いた。
クロガネ:そ…そうとも言える。
○○:じゃなぜ最初から言わないの?
クロガネ:はあ、今となって俺も正直に言おう。
君に話したかったが、なかなか言えなかった。
○○:どういうこと?
クロガネ:最初は俺も君が無剣かどうかがはっきり分からなかったから、言えなかったんだ。
クロガネ:それで、俺は君をずっと観察してきた。
一つは知り合いからの頼みで、もう一つはもっと重要で、君が俺の探している者かどうかをはっきりさせるため。
○○:貴方の探している者?「貴方たち」の探している者じゃないの?
クロガネ:フフ…まあ。
クロガネ:けど、クロガネとしての俺も、ずっと貴方を探していた。
○○:あ、貴方も私を探していた?
クロガネ:そう…俺もずっと旧友の君を探していた。
なにせ、君は唯一喜んで俺の贈り物を受け取ってくれた人なんだ。
無剣:あ?崑崙山で言ったのは…
クロガネ:ハハハ!そう、君だ。
ずっと気になっていた疑問の答えが見つかって、クロガネへのちっぽけな感情もその一瞬で消えていった。
○○:けど、私の過去に一体何があったのかは、まだ何も知らない。
これからどこに向かうのかも未だに…
クロガネ:心配するな。過去は過去だ、これからが大事だ。
クロガネ:○○、これから何があっても、俺は君と一緒に立ち向かう。
○○:クロガネ、ありがとう…
クロガネ:これからいろいろあると思うが、また何か悩みがあったら、絶対に俺に言ってくれよ。
私は笑った。クロガネが好きな、気持ちいい笑いだ。
これからは険しく辛い道程に、私が悲しんだり、傷ついたりすることが起こるかもしれないけれど、今の私は怖くない。
なぜかってそれは、これから何があっても、私たちはずっと一緒にいるから。
同盟会話
◯◯のクロガネ:神雕と共に山河を踏破し、たくさん旅して回ったが、剣境の片鱗すらまだつかめていない。
◯◯のクロガネ:一番遠かったのはペルシャへの旅だった。次は天竺。その次は砂漠の北だ。
◯◯のクロガネ:そういえば、東の方にはまだ行ったことがないな!
◯◯のクロガネ:剣境はもうボロボロだが、みな逞しく生きている。
◯◯のクロガネ:たとえ五剣の境がいつか木剣の狂気で崩壊するとしても、
◯◯のクロガネ:俺たちには最後の希望があるだろう?
◯◯のクロガネ:木剣の武功が髪の域に達しているのは皆も知っているが、
◯◯のクロガネ:奴のもっとも恐るべきところは困難に直面することを恐れぬ決意だ。
◯◯のクロガネ:親友すら殺めてまで…
判詞(訳)
二句目 劫火で鍛錬されて初めて形成り立てる
三句目 一生雨や雪に立ち向かっても頼り強く
四句目 不平に出会っても平然と見過ごす
五句目 長い年月を経て
六句目 海を渡って仙人を探していた
七句目 帰って窓の下に身を寄せ
八句目 人々に過去の物語を語っていた
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・神雕と共に山河を踏破し、たくさん旅して回ったが、剣境の片鱗すらまだつかめていない。
一番遠かったのはペルシャへの旅だった。次は天竺。その次は砂漠の北だ。
そういえば、東の方にはまだ行ったことがないな!
・剣境はもうボロボロだが、みな逞しく生きている。
たとえ五剣の境がいつか木剣の狂気で崩壊するとしても、
俺たちには最後の希望があるだろう?
・木剣の武功が髪の域に達しているのは皆も知っているが、
奴のもっとも恐るべきところは困難に直面することを恐れぬ決意だ。
親友すら殺めてまで…0
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